大会トピックス

3/5 予選
realで動画を見る 小回り(中斜面・人工ウェーブ・フリー)
【男子】   【女子】  
第1位  片桐 貴司  (275点) 第1位 本間 綾美 (266点)
第1位  星 和弘   (275点) 第2位 嶺村 聖佳 (265点)
第1位  柏木 義之  (275点) 第3位 佐伯 幸   (264点)
第4位 能登 恒   (274点) 第3位 中田 良子 (264点)
第4位 上野 英孝  (274点) 第3位 阿部真理子 (264点)
大回り(総合斜面・フリー)
【男子】   【女子】  
第1位  柏木 義之 (280点) 第1位 嶺村 聖佳 (273点)
第2位  宮下 征樹 (277点) 第2位 三星 佳代 (270点)
第3位  山田 卓也 (275点) 第3位 塚田 悠子 (269点)
第4位 藤井 守之 (273点)    
第4位 松沢 寿   (273点)    
第4位 佐藤 久哉 (273点)    
第4位 石田 俊介 (273点)    

小回り(中斜面・人工ウェーブ・フリー)

小回り(中斜面・人工ウェーブ・フリー)バーン

 名木山で行なわれた「小回り・人工ウェーブ・フリー」。昨日の悪天候が回復し、薄曇りから晴れに向かう天候。バーンは雪が柔らかく、スキーが滑りにくく、また引っかかりやすい状況。天候が晴れてバーンが荒れるにつれてよりその傾向は強くなっていった模様で、エッジングのコントロールと、落差を取った中でどこまでカービングを見せられるのかという部分がポイントとなったようだ。男子は1班目4番スタートの片桐貴司がストロークを長く使ってスキーの走りをうまく表現して275ポイント。その後同班では、星和弘がやはり深めのカービングターンを描いて275ポイントを叩き出す。男子2班目で注目の宮下征樹は、一度大きく跳ね上げられるミスで268ポイント。この後、天候とともにバーン状況が悪くなってくると、他の選手は思ったように点が伸びない。深い弧を描くよりも縦長のカービングで狙わないと難しい状況になってきた中、最終班となる男子4班目。「滑りのイメージが上手く作れなかった」という竹田征吾は271ポイント。早い捉えで縦目のカービングを描き、難しいバーン状況の中でのベストの滑りを見せた柏木義之が275ポイントで、片桐、星と並び最高得点をマークした。一方女子は、最初の班4番スタートの佐伯幸が264ポイント。同班18番目にスタートした本間綾美が266ポイント。女子2班目で滑った注目の嶺村聖佳の265ポイントを押さえて、この種目を奪った。難しい雪質でいかにスキーを滑らせ、カービングを描くか。そしてウェーブとのタイミングを合わせ、いかに雪面コンタクトを保つか。戦略の難しい種目となった。

大回り(総合斜面・フリー)

薄曇りの中でスタートを切った第40回大会初日、大回り種目。昨年の総合滑降で使用され、技術選のハイスピード化に輪をかけることとになったウスバゲレンデが使用された。
 バーンには上部に二つ、下部に二つ、計4つのウェーブが作られ、おとといの雨でザラメになった雪面に昨日の降雪が混じり、柔らかくエッジが良く掛かるというスノーコンディション。
 まず女子がスタートするが、案の定ハイスピード下での試合展開となり、ウェーブを超えて着地した瞬間にエッジが引っかかったりバランスを崩すなどして、転倒者が続出することとなった。コースサイドのネットを突き破る選手や、コート内でそのまま試合続行不可能となる選手も出るほど。山田泰子選手(北海道)に至っては、転倒から立ちあがり執念でゴールするも、そのまま倒れこみパトロールに運ばれるというシーンも見られた。非常に安否が気遣われる状況であり、ゴール付近では「どうしてこんなに転倒者が出ているのにこのままスタートさせるのか?」という声さえ聞かれた。ひとつの例としてあげれば、ノルディックジャンプのように向かい風が強く飛距離が出過ぎるような状況になれば、選手のコンディションを気遣いスタート位置を下げる競技もある。このようなケースが続けば、技術選は一般スキーヤーの延長上にあるものではなく、「見るスポーツ」に変わってしまうかもしれないという危惧さえ感じられる。場合によっては、種目の在り方を一考する余地があるのかもしれない。
 女子最初の班の途中からバーンに日が差し、コンディションが良くなってからは、転倒者も少なくなってきた。その中で、谷回りを大きく取りダイナミックな滑りで273点のトップを取ったのは、やはり嶺村聖佳。続いて270点で2位につけた選手は、学連からの初エントリーとなる三星佳代。彼女は中京大学の学生で、現役レーサーということもあり縦目のラインでアグレッシブな滑りを見せた。269点3位の塚田悠子(新潟県)とともに、ノーマークからの上位入賞ー@者が出てきているのが女子の見所といえそうだ。
 続いて男子の班がスタート。女子とは逆に、思うほど求めるスピードが出ない男子の中でブっちぎりの280点を叩き出したのが柏木義之。非常に素早い切り換えしながら、丁寧に落差を大きく取ったターン弧をメイクした。昨年までのように、切り換えで加速を求めるために自分からスキーを抜くような動きはみられず、とてもしなやかかつシャープな滑りに変貌を遂げている。反対に、従来落差を大きく取りしっとりとしたロングターンが持ち味だった宮下征樹は、クイックな切り換えでやや小さめの弧でアグレッシブな運動をアピールした結果、277点に留まった。続いて山田卓也が275点で3位、続いて藤井守之、松沢寿、佐藤久哉、北海道の新鋭石田俊介が271点で同率4位につけている。

選手のコメント

●宮下征樹選手

宮下征樹選手

 滑りのイメージが全然わかなくて……。元々はヒネリ系の技術を使って行くつもりで、スキーも165cmを用意していたのですが、カービングで行かないと点数が出ていないようだったので、迷ってカービングで行って、上手くタイミングが合わずに浮かされてしまいました。この種目は、自分の中でキーポイント(イメージができていなかったという意味で)ではあったのですが、やはり迷ってしまったことがミスにつながったと思います。明日以降まだ8種目ありますから、徐々に詰めていきたいです。

●柏木義之選手

柏木義之選手

 小回りは本当はもう少し深いカービングを描いてこようと思っていたのですが、自分のイメージよりは縦目に滑ってきてしまった。イメージ通りというわけではなかったので、点数もらいすぎたかなという感じです。
 大回りは気持ち良く滑ることができました。雪が柔らかかったですが、滑りにくいということはありませんでした。こういう斜面でスピードを出して滑るときに気を付けることは、とにかく外スキーにしっかり乗っていく意識を持つことですね。そのことだけ考えて滑りました。

●嶺村聖佳選手

嶺村聖佳選手

 ちょうど私がスタートに立ったときに日がさしてきたので、気持ち良く滑れました。それほど戦略などはなかったが、コブだけはしっかり超えていこうと思いました。征吾さんにも「ウェーブは飛ぶ気持ちで行けばいいよ」と言われていたので、その気持ちで滑りました。前の出走者に転倒者が続出して、気を付けようとは思いましたが、だからといって怖くなったり滑りを変えたりということはなかったですね。やはりコブの超え方の処理だけを気を付けた感じです。具体的には、ウェーブをまっすぐ(フォールライン方向に)超えるのが一番良くないと、チーム全体の中でアドバイスをもらっていたので、しっかりターンを決めてから超えるということですね。

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科学戦で挑む「THE AIM SKI UNIT」

 昨シーズンより「カービング&グラインド」テクニックを駆使して大活躍を見せている、THE TEAM改めTHE AIM SKI UNITの面々。今回彼らは、科学的なコンディショニングトレーニングを採り入れている。そこで、予選一日目終了後のコンディショニングの現場に潜入、概要をレポートする。
 今回、チームトレーナーを務める山本周史氏は、2台のエアロバイクとジャンプ系トレーニングに用いるバー、バランスディスクを用意している。これだけなら一般的なトレーニングと変わらないが、注目すべきはその活用法。血液から乳酸値を測り、身体のコンディションを数値的に判断するという「乳酸コントロール」法を採用しているのだ。これは、山本氏がアルペンナショナルチームトレーナー時代に採用していた方法で、「今年THE AIMのトレーナーとして初めて技術選を研究する中で、基礎スキーといえども非常に強い競技性を感じた」ために、この導入を決めたという。
 ゲレンデを降りてからジョギングをしたり、マッサージをするのが一般的だが、実は身体の疲れ具合によってクールダウンに必要な運動量は異なる。それを測る方法のひとつが、「乳酸値」なのである。ハードなバーンを滑れば、筋肉に乳酸が溜まる。その状態で過度な負荷をかければ乳酸は溜まったままになる。そこで、適度な負荷運動を一定時間続けることで乳酸を吸収させ、100%に近い身体能力を維持し、さらに疲れを翌日に持ち越さないのが最大の目的だという。
 このコンディショニングを採り入れた感想を竹田征吾に聞いた。
「今まではなんとなくジョギングをしたり、部屋で腹筋や背筋をやったりしていたが、実はそれが余計に身体を疲れさせていることになっている可能性があると聞いて驚いた。数値で身体のコンディションが把握できるので、非常に合理的にトレーニングが進められる。この方法を採り入れることで、やはりコンディションを維持することができ、翌朝スキーを履いても朝一から良いポジションに入ることができる」
 予選初日、嶺村聖佳はもちろん、松沢寿も高得点をマークしている。この科学的なコンディショニングが功を奏しているのかもしれない。