ALPINE SKI WORLD CUP 1998/99
アルペンスキー・ワールドカップ・北米シリーズ
Aspen(USA)男子スーパーG第1戦 1998年11月27日

MSG/Podium 2nd/HermannMaier
左から2位のヘルマン・マイヤー、
2連勝を飾ったエバハルター、
3位のクリスチャン・マイヤー、
4位のライナー・ザルツゲバー
ヘルマン・マイヤー

 アスペンでワールドカップのレースが行なわれるのは95年のキャンセル事件以来4年ぶりのことである。
 95年の開催の際、ダウンヒルコースの防護ネットのことで問題が生じてレースがキャンセルされた。美観を損ねるという理由で防護ネットの設置を拒否したアスペンと、選手の命と美観のどっちが大事かと主張するFISとの間で紛争が生じ、FIS側がアスペンでのワールドカップ開催を拒否したのである。

 今回の開催は、美観を損ねることなくコースを新しく設置し、従来行なわれていた滑降をやめてスーパーGに切り替え、またFISのカレンダー会議では「1950年にアルペンの世界選手権を開催している伝統あるアスペンからワールドカップが無くなることは、選手を目指す子供たちのモチベーションに重大な影響を与える」とのコメントを発表し開催にこぎ着けたものである。

 アスペンの新コースはかちかちに固められ極めてトリッキーなコースに仕上がっていた。今季このスーパーG初戦に出場した選手は69人。だがゴールしたのは33人だった。実に半数以上の選手が途中でリタイアしてしまったのである。

 このトリッキーなコースを制したのは5番スタートのステファン・エバハルターだった。パーク・シティの大回転に次ぐ今季2勝目である。2位にヘルマン・マイヤー、3位にクリスチャン・マイヤー、以下4位ライナー・ザルツゲバー、5位ハンス・クナウスと、オーストリアが1〜5位を独占したレースとなった。「今日は全くタフで難しいレースだった。上の方で大きなミスを犯したので中間はあらゆるリスクを覚悟でアグレッシブに攻めた。

 今日はどうしても勝ちたかったんだ」とエバハルターは記者会見で語った。エバハルターは世界選手権で金メダルを獲得した後の91年のアスペンで大回転4位に入り、93年にもスーパーGで2位の成績を収めている。ここで彼の成績は98年まで途絶える。だが今シーズンは総合優勝を狙えるほどに調子がよい。なにが彼を変えたのか。「我々のチームには強い仲間がいる、そしてお互い尊敬し合っているのだ」と勝者は語ったが、そればかりではあるまい。

 ソールデンの開幕戦で勝って以来未だ勝ち星のないヘルマン・マイヤーだが、「今年のターゲットはヴェイルの世界選手権だ。スキーのチョイスにまだ問題があるがそれまでには解決する。ミスが多いのは体調が万全でないからだ。夏は忙しかったんだ」とトレーニング不足をも強調した。シーズン前のトレーニングではチームメートに度々負かされている。

 日本からは滝下靖之(ミズノ)が出場したが途中棄権した。中間までは速いタイムをマークしていたが後半でゲートをミスした。33人しかゴールしなかったレースだけに悔やまれる。


滝下泰之(ミズノ)
Men's 1st Super-G, Aspen (USA), 27.Nov.1998
Rank Name Nat. Total
 1 EBERHARTER Stephan  AUT   1:11.81
 2 MAIER Hermann  AUT   1:12.33
 3 MAYER Christian  AUT   1:12.45
 4 SALZGEBER Rainer  AUT   1:12.49
 5 KNAUSS Hans  AUT   1:12.85
 6 KJUS Lasse  NOR   1:12.89
 7 CRETIER Jean-Luc  FRA   1:12.99
 8 LOCHER Steve  SUI   1:13.06
 9 AAMODT Kjetil Andre  NOR   1:13.07
 10 FOURNIER Sebastien  FRA   1:13.14
 11 CUCHE Didier  SUI   1:13.23
 12 PUCKETT P Casey  USA   1:13.34
 13 KOBLAR Jernej  SLO   1:13.51
 14 GRUBER Christoph  AUT   1:13.66
 15 SCHIFFERER Andreas  AUT   1:13.68
 16 CATTANEO Luca  ITA   1:13.71
 17 CAVEGN Franco  SUI   1:13.75
 17 FLEISCHER Chad  USA   1:13.75
 19 VITALINI Pietro  ITA   1:13.80
 20 STANKALLA Stefan  GER   1:13.96
 21 GHEDINA Kristian  ITA   1:13.98
 22 PICCARD Jeff  FRA   1:14.14
 23 RAHLVES Daron  USA   1:14.23
 24 PERATHONER Werner  ITA   1:14.25
 25 SELETTO Erik  ITA   1:14.70
 26 MAN DE Harald II  NED   1:14.71
 27 LOUIS Ehlias  USA   1:15.15
 28 ACCOLA Paul  SUI   1:15.29
 29 GRUENENFELDER Juerg  SUI   1:15.36
 30 BETSCHART Wisi  USA   1:15.61
 31 BURTIN Raphael  FRA   1:15.89
 32 STRAND NILSEN Harald Chr.  NOR   1:16.31
 33 GROB Rainer  CHI   1:19.79

Did not finish 1st run:
BARNERSSOI Tobias (GER), BEAR AJ (AUS), DENERIAZ Antoine (FRA), FATTORI Alessandro (ITA), FISCHNALLER Roland (ITA), FRESHWATER Andrew (GBR), MARIN-CUDRAZ Frederic (FRA), MC BEATH Darin (CAN), MELQUIOND Benjamin (FRA), MULLEN Cary (CAN), PAULSEN Lasse (NOR), PEN Peter (SLO), PODIVINSKY Ed (CAN), RAUFFER Max (GER), REBERSAK Jernej (SLO), RUNGGALDIER Peter (ITA), STROBL Fritz (AUT), STROBL Josef (AUT), TAKISHITA Yasuyuki (JPN), WIRTH Patrick (AUT), BELTRAMETTI Silvano (SUI), BRUNNER Michael (GER), BURTIN Nicolas (FRA), FRANZ Werner (AUT), FIALA Jakub (USA), GALLI Lorenzo (ITA), HEATH Alexander (RSA), HERRMANN Markus (SUI), JAERBYN Patrik (SWE), KERNEN Bruno Ii (SUI), KOSTELIC Ivica (CRO), LOPEZ Santi (AND), NYBERG Fredrik (SWE), PRETOT David (FRA), SIVERTSEN Kenneth (NOR)

※49・滝下泰之は途中棄権