FIS Alpine Ski World Cup 2001/02
Schladming(AUT), Men's 8th Slalom. 22,Jan,2002
ボーディ・ミラー(USA)、スラローム3勝目、皆川賢太郎は2本目ラップで14位
Schladming M-SL/ 1st. Bode Miller 2nd/ Jean-Pierre Vidal
3rd/ Ivica Kostelic Schladming M-SL. Podium

 男子回転第8戦は1月22日、シュラドミング(AUT)でナイターで行なわれ、ボーディ・ミラー(USA)が今季スラローム3勝目、通算ワールドカップ4勝目を上げた。2位にはジャン・ピエール・ヴィダル(FRA)、3位にイビツァ・コステリッチ(CRO)が入った。オリンピックを前にしてこれが最後のスラロームである。

 50,000人が集まったシュラドミングだが、気温が高く2日間降り続いた雨でコース状況は良くない。1本目1番スタートのミラーと2番スタートのヴィダルのあと、コースは急速に悪化した。1本目ラップのミラーと2位のヴィダルのタイム差は0.36秒、3位のイビツァ・コステリッチ(CRO)とは1.11秒の差が付いた。30位のジャンカルロ・ベルガメリ(ITA)との間にはなんと4.29秒もの大差が付いた。今のスラロームでは珍しいタイム差である。皆川賢太郎(エオスSC)はトップと4.21秒差で27位につけた。木村公宣(ロシニョールジャパン)と佐々木明(日体大)は2本目に進めなかった。
 
 2本目、4番目に滑った皆川がベストタイムを奪い14位に浮上。だが1本目の大きなタイム差が災いして表彰台には届かなかった。

 ミラー、ヴィダル、コステリッチ、4位のミチャ・クンチ(SLO)と同着のライナー・シェンフェルダー(AUT)がオリンピックのメダル候補だ。初めてのベストタイムをマークした皆川にも上位入賞のチャンスが巡ってきた。オリンピックのスラロームは1ヶ月後、2月23日、ディアバレーで午前10時にスタートする。 

 今季のスラロームはあと最終戦を残すのみになった。最終戦は3月6〜10日、オーストリアのアルテンマークト(DH、SG)とフラッハウ(GS、SL)で行なわれる。出場資格はワールドカップポイントのトップ25まで。皆川賢太郎は現在35位。従ってファイナルへの出場資格はないが、全くないわけではない。オリンピックで勝てば出場できる。
★コラム★ 鈴木まさる

 2ヶ月以上も続いた欧州の寒波も力つきて、シュラドミングに向かうザルツブルグからの高速道路は大粒の雨です。前日までは多分完璧なコース整備がなされていたと思われるプラナイバーンのゴンドラ駅脇の駐車場に真直ぐ降りてくるツィールハング・スラロームコースはかなり水を含んで明日のレースが懸念されますが、ここシュラドミングでは'82年の世界選手権を初め、数年前にも大雨の中で試合がありました。これ位の雨は屁(失礼)でもありません。

 今シーズンの我等が日本チームは完敗と云っても良い程成績が残せないままでワールドカップの最後を迎えました。皆川選手が最終戦に残るには2位入賞が必要です。

 2日前のキッツでは最後に転倒しましたが、実力の片鱗を見せてくれた皆川選手、トップとの差4秒21、1本目27位で予選通過。

 1本目のゼッケン1番(ボード ミラー)と2番(J・P・ヴィダル)のタイム差が百分の36秒、それ以降3位(イヴィッツァ・コステリッチ)1秒11とタイム差は開くばかりで、予選通過30位のタイム差が何と4秒30。一昨日のキッツでは30位でかろうじて予選通過した皆川選手のタイム差が1秒78でしたから滅茶滅茶です。

 あのコースコンディションであんなに振ってあるコースセッティングではセッターのスイスのフーバー・コーチに批判が集中するのは当然です。

 J・P・ヴィダル、「昨日の雨で1本目はコースが荒れたので、2本目は皆全力を尽くした。優勝がかかった勝負では、自分の潜在パワー以上のものを出しやすい。戦略なんかなし、今日は素晴らしかった。」

 2本目ラップ(2番のボード・ミラーに百分の18秒差)でゴールした皆川選手の活躍はニュースで見たと思いますが、13人抜きの間中この時を久しく待ち続けた日本人報道陣の盛り上がり様を想像してみて下さい。

 皆川賢太郎、「キッツでもこれと同じように全力投球したんですけど・・、今日もとにかく行くしかないと思って・・」、意地を見せてくれた賢太郎。野武士の風貌がありますよね。

 オリンピック前最後のこのシュラドミングでの表彰台には、「昨年は一度も予選を通過できなくて、アスペンでは36番スタートだった」ボード・ミラー、怪我と64番から奇跡の優勝を果たして以来快進撃で種目別優勝まで射程距離に置いているイビツァ・コステリッチ、そして同じように両足膝を怪我してつい数カ月前まで車イスに頼っていたJ・P・ヴィダルがいます。前回のキッツでは地元オーストリア勢が1位2位を独占しました。地元オーストリア以外の、しかも大きなゼッケン番号から這い上がってきたニュースターが表彰台を独占し、5万人にも及ぶスキー王国の大観衆に祝福された、今後のワールドカップスキーを象徴的に暗示させる大会でした。

 先にキッツの酔っ払い集団に触れましたが、ハーネンカムダウンヒルの当日120人もの泥酔者が収容されたそうです。シュラドミング5万人の観衆の酔っ払い振りも相当なものの筈です。数量が掴めていないほど飲まれた生ビールとシナップス以外に、9万カップのグリューワイン(ホットワイン)、1万五千本のボトルビール、1万8千本のヴァイクセルカクテル(アルコール度17.5%)それに加えてフランクフルトソーセージ1万2千本、レバーチーズ5トン、センメルン(堅パン)7万本がこの狭い一晩で消費されたそうです。

 スラローム大会としては完全に老舗のキッツを抜いて、5万人近い観客があの狭い会場にひしめき合う独特の雰囲気は、選手達も特別な感覚で評価している様です。
 「ここの斜面に飛び込んでゆく時、龍の口に身を投げ込むような気がする。」(イビツァ・・コステリッチ)

後は絶対にテレビを見て下さい。

Result