ALPINE SKI WORLD CUP 2000/2001
Bormio (ITA). Men's 5th Giant Slalom. 21,Dec,2000
Bormio M-GS 1st/ Christoph Gruber(AUT) Bormio Men's Giant Slalom, Podium
2nd/ Erik Schlopy(USA) 3rd/ Fredrik Nyberg(SWE)
カメラ前走で出てきたアルベルト・トンバ

 12月21日、ボルミオ(ITA)で行なわれた今世紀最後のレースで、強豪ひしめくベテランたちをさておいてワールドカップ3年目のクリストフ・グルーバー(AUT)が初優勝を上げた。1976年生まれの24歳、'75年にボス(NOR)で行なわれたジュニア世界選手権の大回転とコンビで金メダルを獲得している新鋭だ。1月末からのサン・アントン(AUT)世界選手権をひかえ、オーストリアチームはエントリー選手の人選にまたまた頭を痛めることになりそうだ。

 グルーバーは今季レーク・ルイーズ(CAN)のスーパーGで32番スタートから6位に入り、ビーバー・クリーク(USA)のスーパーGでは30番スタートから2位に食い込んだ。いわばスーパーG要員の選手だ。大回転では開幕戦のゼルデンに出たが途中棄権に終わっている。これが今季2戦目の大回転である。オーストリア男子ヘッドコーチのトニー・ギガーのひらめきによって今日の初優勝を導き出した。トニーはヘルマン・マイヤーを発掘したコーチだが、良いコーチがいて選手もまたそれに答えるという良い循環態勢はオーストリアならではのものである。「チームには強い選手が大勢いる。私には彼らのようなプレッシャーはなかった」と喜びを表現したが、1本目32番スタートから7位に付け、2本目は2位のタイムでのランクアップはやはりただ者ではない。

 1本目トップに立ったフレデリック・ニーベルグ(SWE)は今季非常に調子がよい。だが2本目中間から下で2度も大きな失敗をして3位に後退した。

 2位に入ったのはアメリカのエリック・シュロピィ。アメリカは来期のオリンピックを前にしてどんどん上位に食い込んできている。今日は失敗したが大回転第3戦で6位、4戦で3位に入賞したボーディ・ミラーとともに不気味な存在だ。この二人はオーストリアに家を借りて住んでいる。ヨーロッパで戦うにはヨーロッパに居を構えるのが一番だとのメーア・ブラザースのアドバイスによるものである。

 このレースには出場できなかったはずのヘルマン・マイヤーが突如出場してきた。バルディゼールでの失格事件の後、20日にインスブルックで行なわれた裁定委員会で出場が許可され出てきたものである。だがこの裁定委員会は元オーストリア・スキー連盟のトップだったメンバーで構成されたものだ。当然各国は不服を申し立てたが聞き入れられなかった。だがこの問題はまだくすぶり続けている。オーストリアチームはマイヤーが払わなければならない罰金をも免除させようとローザンヌのスポーツ裁定裁判所に提訴したようである。そのマイヤーは1本目3位に付けたが2本目は失敗、トータル10位と敗退した。インスペクションは念入りに時間をかけて行なわれていたが効果はなかったようである。

 あのアルベルト・トンバがヘルメットに小型テレビカメラを付けた「カメラ前走」としてボルミオに現われた。前日の夜にミラノでテレビ中継付きで行なわれた今年活躍したスポーツ選手たちの表彰式に、19日に34歳になったばかりのトンバもゲストとして招待され祝福を受けていたが、放映直後に急遽駆けつけて無事役割を果たした。

 このレースを最後に2000年の男子のレースはすべて終了した。29日にボルミオで行なわれる予定だった男子滑降はすでに中止が発表になっている。1月初めのレザルク(FRA)の大回転、回転は大丈夫だろうがその後のアーデルボーデン(SUI)、ウェンゲン(SUI)、キッツビューエル(AUT)は雪不足が心配されている。どうなることやら。