"Audi" FIS ALPINE SKI World Cup 2006/07
総括:アルペンスキー・ワールドカップ 2006/07
新鋭の活躍で幕を閉じた41周年ワールドカップ - 2
■男子大回転
種目別総合タイトルはアクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR)


World Cup 2007 Men's Giant Slalom Overall, 1st / Aksel Lund Svindal (NOR)
World Cup 2007 Men's GS, 2nd / Max Braldone (ITA) World Cup 2007 Men's GS, 3rd / Beny Raich (AUT)

 今季は初戦のソールデン(AUT)がキャンセルになったために大回転は全6戦のみになった。結局ソールデンの代替えレースは行なわれないままにシーズンを終了した。

 種目別・大回転の総合Vは、ヒンターストッダー(AUT)とレンツェルハイド(SUI)の2勝を挙げたアクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR)だった。ワールドカップ総合と併せて2冠を達成した。
 2位にビーバー・クリーク(USA)で勝ち、2位が2回のマッシミリアーノ・ブラルドーネ(ITA)。
 3位にはアーデルボーデン(SUI)とクラニスカ・ゴラ(SLO)で勝ったベンジャミン・ライヒが、4位にアルタ・バディア(ITA)で勝ったカレ・パランダー(FIN)が続いた。


 最終戦の大回転に勝って種目別のVを達成し、ワールドカップ総合に王手をかけたスヴィンダルはかく語った。
 「大回転での勝利は大きな出来事だ。良いシーズンだったと思っている。今日のフィーリングは良かったが2本目が終わるまで勝利は信じがたいことだった。ベニィの1番スタートの失敗は、大回転では難しいことで自分でも失敗したことがある。マックス(ブラルドーネ)のアタックは素晴らしい。ミラーは真似の出来ないレースをやる。
 レースは何時もハードだが、気分を変えて良かったレースを研究することもある。オーモット、シュースからは多くのことを学んだ。しかし、自分はまだ比較されるレーサーではない。明日のスラロームは本領ではないが、スロープは悪くないし、なにが起こるかわからない。勝利はだめでもポイントで勝つことも考える」。結局その通りになった。


Men's Giant Slalom, Overall Podium
(L-R) 2nd/ Max Blardine (ITA), 1st/ A.L.Svindal (NOR),
3rd/ Beni Raich (AUT)
Men's Giant Slalom Standings
1. Aksel Lund Svindal (NOR), 416.
2. Massimiliano Blardone (ITA), 380.
3. Benjamin Raich (AUT), 319.
4. Kalle Palander (FIN), 299.
5. Francois Bourque (CAN), 249.
6. Bode Miller (USA), 232.
7. Didier Cuche (SUI), 223.
8. Ted Ligety (USA), 212.
9. Didier Defago (SUI), 163.
10. Manfred Moelgg (ITA), 119.
11. Joel Chenal (FRA), 118.
12. Davide Simoncelli (ITA), 104.
13. Hannes Reichelt (AUT), 102.
14. Alberto Schieppati (ITA), 101.
15. John Kucera (CAN), 87.
16. Hermann Maier (AUT), 86.
17. Thomas Fanara (FRA), 81.
18. Rainer Schoenfelder (AUT), 79.
19. Christoph Gruber (AUT), 71.
20. Daniel Albrecht (SUI), 67.
20. Thomas Grandi (CAN), 67.

■男子回転
ベンジャミン・ライヒ(AUT)、意地で勝ち取った種目別総合タイトル


World Cup 2007 Men's Slalom, Oveall-1st / Benjamin Raich (AUT)
World Cup 07 M-SL, 2nd / Mario Matt (AUT) World Cup 07 M-SL, 3rd / Jens Byggmark (SWE)

 男子スラロームは全10戦が行なわれ、初戦のレヴィ(FIN)、得意のシュラドミング(AUT)、そして最終戦のレンツェルハイド(SUI)と3勝を挙げたベンジャミン・ライヒ(AUT)が種目別のタイトルを獲得した。一時は総合トップを走り続け、総合Vは手中にあると思われたが、スヴィンダルの猛攻の前に撃沈。2年連続の総合優勝を目前で逃した。だがスラロームは2位のマリオ・マット(AUT)に1秒近くの大差を付けて圧勝し、種目別のタイトルを獲得した。

 総合2位にガルミッシュ(GER)とクラニスカ・ゴラで2勝を挙げ、2位2回のマリオ・マット。マリオはオーレ(SWE)世界選手権でも金メダルを獲得した。

 3位にキッツビューエル(AUT)で2連勝したニューカマーのイェンス・ビッグマルク(SWE)。4位はアルタ・バディア(ITA)で勝ったマルクス・ラルション(SWE)。地元アーデルボーデン(SUI)で勝ったマーク・ベルトー(SUI)が5位。もう一つ、ビーバー・クリーク(USA)で勝ったアンドレ・ミーラー(SWE)は総合は13位だった。新しい名前が活躍したシーズンだった。

 ベンジャミン・ライヒとマリオ・マットは別格として、3位以下に並んだ顔ぶれはいずれも今季初優勝を挙げたニューカマーである。中でも孤高の天才・インゲマル・ステンマルク(SWE)と同じ村、ラップランドのテルナビィから出てきたイェンス・ビッグマルクは、独特のスラローム・テクニックでピステを席巻した。地元オーレでの世界選手権前までは、まさに他を寄せ付けぬ異様を放っていた。デビュー初年にして種目別の総合タイトル獲得のチャンスがあったのだ。だが世界選手権では出場した回転、大回転、スーパー・コンビの全てを途中棄権で終えた。好事魔多しである。昨年のジョルジオ・ロッカ(ITA)もオリンピック前までは破竹の勢いだった。オリンピックの失敗が尾を引き、その後勝てなくなった。ロッカの例にならう必要はないが、ビッグマルクに2年目のジンクスの轍を踏むことのないように期待する。

佐々木明(グローバル・エクステンドスキークラブ) 皆川賢太郎(アルビレックス新潟) 湯浅直樹(スポーツアルペンSC)
Photos : Hiroyuki Sato

 スラロームを得意とする日本チームだが今季は不発に終わった。マテリアル変更後の佐々木明(グローバル・エクステンドスキークラブ)は7位が2回(アルタ・バディア・SL、クラニスカ・ゴラ・SL)、14位が1回(アーデルボーデン・SL)という成績でシーズンを終えた。
 昨年のトリノ・オリンピックでアルペン50年ぶりの一桁入賞、4位と気を吐いた皆川賢太郎(アルビレックス新潟)は、レヴィ(FIN)のスラロームで13位に入賞した後、オーストリアの氷河でトレーニング中に靱帯を損傷、シーズンを棒に振った。
 トリノ・オリンピックで7位入賞を果たし、今季は大いに躍進が期待されていた湯浅直樹(スポーツアルペンSC)は、良いところがなくシーズンを終えた。チームの抜本的な立て直しが急務だ。


Men's Slalom Overall Podium
(L-R) 2nd/ Mario Matt (AUT(, 1st/ Bebjamin Raich (AUT),
3rd/ Jens Byggmark (SWE)
Men's Slalom Overall Standings
1. Raich Benjamin (AUT)605points
2. Matt Mario( AUT)600
3. Byggmark Jens (SWE) 495
4. Larsson Markus (SWE)340
5. Moelgg Manfred (ITA) 337
6. Berthod Marc (SUI)322
7. Janyk Michael (CAN) 279
8. Neureuter Felix (GER) 264
9. Palander Kalle (FIN) 247
10. Grange Jean-Baptiste (FRA) 242
11. Rocca Giorgio (ITA) 213
12. Pranger Manfred (AUT) 207
13. Myhrer Andre (SWE) 188
14. Zurbriggen Silvan (SUI) 171
15. Ligety Ted (USA) 170
16. Kostelic Ivica (CRO) 144
17. Deville Cristian (ITA) 135
18. Grandi Thomas (CAN) 126
19. Gini Marc (SUI) 123
20. Herbst Reinfreid (AUT) 121

男子総合成績 続く