"Audi" FIS Alpine Ski World Cup 2005/06
Shiga-Kogen (JPN), Men's 9th Slalom. 11,Mar,2006
男子回転第9戦、志賀高原、2006年3月11日
二人同着優勝、カレ・パランダー(FIN)、今季2勝目
ラインフリード・ヘルブスト(AUT)、初優勝
ベンジャミン・ライヒ(AUT)、ワールドカップ総合優勝確定
佐々木明・6位、皆川賢太郎・7位、湯浅直樹・18位

Shigakogen(JPN), Men's Slalom-2,Podium. (L-R) 1st tie / Herbst(AUT), 1st tie / Palander(FIN), 3rd / Grandi(CAN)
1st tie / Kalle Palander (FIN)
1st tie / Reinfried Herbst (AUT)
3rd / Tomas Grandi (CAN) 6th / Akira Sasaki (JPN)
7th / Kentaro Minagawa )JPN) 18th / Naoki Yuasa (JPN)

 3月11日、志賀高原は綺麗に晴れ上がった。だが気温は高い。来週のオーレ(SWE)でのファイナルを前にした最後のレースである。男子回転第9戦、大詰めを迎えて総合優勝のかかった大会でもあった。

 焼額山のオリンピック・コースを制したのは、なんと二人。カレ・パランダー(FIN)とラインフリード・ヘルブスト(AUT)。3年前の当地に於ける大会でもカレ・パランダーとライナー・シェンフェルダー(AUT)が優勝を分け合い、ワールドカップのスラローム史上初めての二人同時優勝の記録を作ったが、それに次ぐ2回目の記録である。


 1本目、トップに立ったのはカレ・パランダー、2位にベンジャミン・ライヒ(AUT)、3位にジョルジオ・ロッカ(ITA)が付けた。佐々木明(ガーラ湯沢)は7位、皆川賢太郎(アルビレックス新潟)は10位、27番スタートの湯浅直樹(北海道東海大)は29位とぎりぎりで2本目に残った。

 2本目、気温はさらに上がって+7℃。
 二人目に滑った湯浅直樹がまずトップのタイムでレースをリード。だが5番目に滑ったフェリックス・ノイロイター(GER)に抜かれた。ノイロイターがしばらくトップを維持したが、15番スタートのテッド・リゲティ(USA)に抜かれ、いよいよトップ15の勝負になってレースの行方は混沌としてきた。

 21番で滑った皆川賢太郎がトップに躍り出て観衆の興奮は最高潮に達した。だが24番で滑った佐々木明がさらに速いタイムを出し暫定トップに躍り出た。昨日の再現かと、興奮はいやが上にも高まる。

 だがそんなに甘くはなかった。残り6人。トップが次々と入れ替わる展開になり、まず佐々木の後に滑った昨日3位のトーマス・グランディがトップに躍り出、さらに次に滑ったラインフリード・ヘルブストがその上に来た。マルクス・ラールソン、ジョルジオ・ロッカ、ベンジャミン・ライヒがヘルブストを抜けず、最後のパランダーを待つ。そして2大会連続となる二人同着優勝となる結果になった。佐々木の前、23番で滑った前回の勝者ライナー・シェンフェルダーは、1本目8位、2本目は2回の中間計時でトップのタイムをマークしあわやと思わせたが、ゴール前の壁で失敗し25位に沈んだ。
 
 二人同時優勝をどう思うかと聞かれたパランダーは、「時計が壊れていたんじゃないの」とジョークを飛ばしたあと、「自分でもビックリしている。勝つことは嬉しいことだ、それが二人でも嬉しさは同じさ。志賀高原に来ると何故か調子が良い。柔らかい雪は得意中の得意なんだ。この調子を維持して最終戦でも勝ちたい。そしてタイトルを手にしたい(現在スラロームのタイトル争いはトップのジョルジオ・ロッカに52ポイント差の2位)。それにはオーレで勝たなければならないな、ジョルジオがオリンピックの失敗以来落ち込んでいるから俺には良いチャンスだ」と、機嫌良く語った。

 もう一人の優勝、ヘルブストは、「素晴らしい天気に恵まれたが、コースは容易ではなかった。ワールドカップ4年目で優勝することが出来、良いシーズンだった。ここにクライマックスを持って来られたことがラッキーだった。この調子を維持してシーズンを締めくくりたい」と、言葉少なに語った。今季はナショナルチームを外され自費でワールドカップに挑んできた。トリノ・オリンピックでスラローム銀メダル。そして今日の優勝。オーストリアチームの嬉しい誤算である。ブリザードスキーがスラロームで優勝したのは'76年にシュラドミング(AUT)で勝ったハンス・ヒンターゼア(AUT)以来のことである?(滑降では昨年のバルディゼール(FRA)でベルナー・フランツ(AUT)が優勝している)。

 昨日に続き3位を確保して連続表彰台をゲットしたトーマス・グランディ(CAN)は、「1本目6位は良い滑りだったと思う。自分としては何も失うものはないので、2本目は思いっきり攻めることが出来た。ケン・リードが連盟会長に就任してからスポンサー、組織ともに良くなった。この態勢で次のバンクーバー五輪を目指す」、と語った。

18位・湯浅直樹(北海道東海大) 7位・皆川賢太郎(アルビレックス新潟) 6位・佐々木明(ガーラ湯沢)

 佐々木明は6位、皆川賢太郎7位、湯浅直樹18位とジャパンチームは地元開催のワールドカップで3人入賞という素晴らしい成績でファンを喜ばせた。
 志賀高原2戦が終わった時点でのワールドカップ・ランキングは佐々木・6位、皆川・10位、湯浅・31位。ワールドカップのスタート順を決めるWCSL(ワールドカップスタートリスト)のランキングは、佐々木は7位でいよいよトップセブンに入った。皆川12位、湯浅26位。来週のオーレ最終戦には佐々木と皆川の二人が出場する。湯浅は残念ながらファイナル出場は逃した(出場資格はワールドカップ・ランキング25位まで)。湯浅は腰と膝の故障をおして戦って来たが、腰はもう問題ないとのことだ。だが膝の故障は深刻だ。左膝の骨が欠けているということである。すぐに手術が行なわれる。
 他の日本選手は1本目56番スタートの生田康宏(東京美装)は54位、64番スタートの花田将司(北海道東海大)は59位、岡田利修(天山リゾート)は途中棄権で、いずれも2本目には残れなかった。岡田はこれがラストランになった。

 今日4位に入ったベンジャミン・ライヒは、最終戦を待たずして総合優勝を確定した。
 「気温が高く、コースは容易ではなかったが、そんな中でも良い滑りが出来たと満足している。総合優勝が今シーズンの大きな目標だったので、それを達成出来たことは嬉しい。今シーズンは年間を通して安定していた。安定した力を出せるようにシーズン前から準備をしてきたのでそれが実を結んだ。周りのスタッフや家族の協力のたまものだ。まだ最終戦が残っているので、スラローム、スーパーG、大回転でもタイトルを狙いたい。お祝いはその後だ。2週間お祝いをするんだ」、と語った。 

Shigakogen, Men's Slalom. Result
Rank Bib Name Nat. 1st Run 2nd Run Total Time
 1  3 PALANDER Kalle  FIN   50.25  50.35  1:40.60
 1  1 HERBST Reinfried  AUT   50.86  49.74  1:40.60
 3  2 GRANDI Thomas  CAN   50.87  50.06  1:40.93
 4  4 RAICH Benjamin  AUT   50.48  50.47  1:40.95
 5  11 LARSSON Markus  SWE   50.81  50.30  1:41.11
 6  12 SASAKI Akira  JPN   51.24  49.89  1:41.13
 7  8 MINAGAWA Kentaro  JPN   51.63  49.75  1:41.38
 8  16 SVINDAL Aksel Lund  NOR   51.66  49.87  1:41.53
 8  5 ROCCA Giorgio  ITA   50.66  50.87  1:41.53
 10  7 LIGETY Ted  USA   52.24  49.40  1:41.64
 11  24 NEUREUTHER Felix  GER   53.25  48.97  1:42.22
 12  19 MATT Mario  AUT   51.76  50.49  1:42.25
 13  10 PRANGER Manfred  AUT   51.53  50.77  1:42.30
 14  15 MYHRER Andre  SWE   52.77  49.55  1:42.32
 15  22 BOURGEAT Pierrick  FRA   53.03  49.31  1:42.34
 16  48 ANSELMET Alexandre  FRA   53.16  49.25  1:42.41
 16  13 TISSOT Stephane  FRA   52.11  50.30  1:42.41
 18  27 YUASA Naoki  JPN   53.42  49.04  1:42.46
 19  38 ALBRECHT Kilian  AUT   52.99  49.56  1:42.55
 20  14 KOSTELIC Ivica  CRO   52.17  50.42  1:42.59
 21  28 DEVILLE Cristian  ITA   52.90  49.93  1:42.83
 22  26 ALBRECHT Daniel  SUI   53.34  49.58  1:42.92
 23  30 OMMINGER Andreas  AUT   53.35  49.67  1:43.02
 23  18 THALER Patrick  ITA   52.86  50.16  1:43.02
 25  6 SCHOENFELDER Rainer  AUT   51.32  51.79  1:43.11
 26  23 MOELGG Manfred  ITA   52.68  50.51  1:43.19
 27  21 BROLENIUS Johan  SWE   52.60  50.83  1:43.43
 28  39 MARINAC Martin  AUT   53.55  50.32  1:43.87

FIS Official Result