SALT LAKE 2002
2002 OLYMPIC WINTER GAMES
ジャンプ・ラージヒル Jumping Individual K120, 13,Feb,2002. Utah Olympic Park
ラージヒル表彰台。左から2位・マリシュ、1位アマン、
                3位・ハウタマエキ(FIN)
1本目132.5m、2本目133m(最長不到)を飛んで喜びを表わす
シモン・アマン(SUI)
1st / Simon Ammann(SUI) 2nd / Adam Malisz(POL)
3rd / Matti Hautamaeki(FIN) 7位・船木和喜(フィット)
20位・原田雅彦(雪印乳業) 24位・宮平秀治(ミズノ)

 ジャンプ・ラージヒル(K120)は大会第6日目の2月13日、ユタ・オリンピック・パークで行なわれ、ノーマルヒル(K90)で優勝したスイスのシモン・アマンがラージヒルでも優勝を飾り、スイスに今大会2個目の金メダルをもたらした。しかも2個ともシモン・アマン。

 アマンは1本目、スヴェン・ハンナワルド(GER)とともに132.5mを飛び140.5ポイントでトップに立った。ファイナルではただ一人133mの最長不到をマークして優勝した。オリンピックでノーマルヒル、ラージヒルの2冠を制したのは'88年カルガリー(CAN)のマティ・ニッカネン(FIN)以来である。もっともニッカネンは団体を含めて3冠だったが。

 シモン・アマンは1981年1月25日、スイス、グラブス生まれの21歳。今季ワールドカップでは好調を維持していたが1月12日、ウィリンゲン(GER)のジャンプで空中でスキーがはずれ大転倒、脳震盪、全顔面擦過傷で病院行き。これを見たスイス国民はまたもや五輪のホープを失ったのかと悲嘆にくれた。
 まるで迷彩服のような色彩的な顔貌で「僕は大丈夫です。すぐにジャンプが出来ますから」と、12日後からサン・モリッツでトレーニングを開始。「自分にはもっとやれる」という感覚を掴みアメリカに飛んだ。
 ソルトレークではアラン・アルボーン(USA) と一緒にトレーニングを行ない更に自信をつけた。

 ノーマルヒルでの勝利の後、「1本目には良いジャンプが出来たと思い、普段は他の選手のことは何も聞かないで自分自信に集中するんだが、今日のハンナワルドだけは良いジャンプをやったなとじっくり見てからスタートした。色々なことが目まぐるしくあっと云う間に過ぎて勝ったという実感はいまやっと。ポディウムで最高の色はとても嬉しい」と語り、「ワオッ!」と、あまりに多く叫びすぎて声をすっかり嗄してしまった「シミィ」だった。
 コーチのB・シェドラーは、「まさか金メダルとは予期していなかったが、2本とも良いジャンプが出来たらシモンのチャンスもあるだろうとは考えてもいた。この2年間チームの雰囲気も良く皆が熱をいれていい仕事ができたことは嬉しいことだと思っています」と満面に笑みを浮かべて語った。
 シミィというニックネームだが右目、額にもまだ滲みが残るシモン・アマンの快挙は、ジャンプでは1972年札幌大会のラージヒル(K90)で銀メダルを獲得したW・シュタイナー以来30年ぶりにメダルを、しかも初の金メダルをスイスにもたらした。

 ラージヒルの行なわれる前、「メダルへの自信があったのはラージヒル。順当な準備が出来た。特別なミスでもしない限り、調子はいいし闘志は十分」と語って2個目の金メダルを勝ち取った。
 「20歳だって? 12才のまちがいじゃないのか」とか、「喜劇俳優ハリー・ポットラーそっくり」などと悪口を叩かれても動じ無い。

 1本目の132.5m/ 140.5 ポイントはエース、スヴェン・.ハンナワルド(GER) と全く同点、神経の緊張はノーマルヒルとは異なってコーチもあんなシミィは今までに見たことがなかったと述べたほど。
 2本目、スタートゼッケンの早いアンマンは先に飛んだ。133m とはいえテレマークは悪い、これを見たラストのハンナワルドは131mの飛距離を出したがテレマークを失敗、しりもちをつき4位に終わった。

 「そりゃオリンピックの金メダルは夢みたさ、だけど2つじゃなかった」、「今いちばんやりたいことは日なたぼっこ(昼寝)だがこれは今は出来ない、原因は自分で作るってしまったからね」、「マテリアルも最高、チーム全体の雰囲気も上々、アンドレアス(クッテル 6位)もやったし、僕らは団体戦で表彰台を約束します」。アルペン・スキーの国スイスだったが今では国情をすっかりノルディックに変えた。

 期待された日本勢は船木和喜(フィット)の7位が最高で、以下原田雅彦(雪印)が20位、宮平秀治(ミズノ)が24位、葛西紀明(土屋ホーム)はファイナルには進めなかった。

Rank Bib Name Nat. 1st Jump 2nd Jump Total
Points
lenght Points lenght Points
1 42 Ammann Simon SUI 132.5 140.5 133 140.9 281.4
2 50 Malysz Adam POL 131 137.3 128 132.4 269.7
3 47 Hautamaeki Matti FIN 127 129.1 125.5 126.9 256.0
4 49 Hannawald Sven GER 132.5 140.5 131 114.8 255.3
5 41 Horngacher Stefan AUT 125 123.5 124 123.7 247.2
6 28 Kuettel Andreas SUI 125 125.0 122 120.6 245.6
7 39 Funaki Kazuyoshi JPN 126.5 128.7 121 116.8 245.5
8 44 Koch Martin AUT 126 126.3 121.5 118.2 244.5
9 30 Ahonen Janne FIN 124 119.2 123.5 122.3 241.5
10 45 Schmitt Martin GER 126 127.3 119.5 113.1 240.4
11 31 Kranjec Robert SLO 122 118.1 122.5 119.5 237.6
12 43 Hocke Stefan GER 125 123.5 120.5 113.4 236.9
13 38 Zonta Peter SLO 124 121.2 120 113.0 234.2
14 46 Hoellwarth Martin AUT 123.5 122.3 117.5 111.0 233.3
15 26 Peterka Primoz SLO 123 120.9 119.5 112.1 233.0
16 25 Uhrmann Michael GER 124 120.2 119 112.2 232.4
17 35 Kobelev Valery RUS 121 115.3 121.5 116.2 231.5
18 40 Jussilainen Risto FIN 121.5 116.7 117.5 109.5 226.2
19 37 Cecon Roberto ITA 120 113.0 119.5 112.6 225.6
20 24 Harada Masahiko JPN 119.5 115.1 116.5 107.7 222.8
21 48 Widhoelzl Andreas AUT 120.5 114.9 116.5 107.7 222.6
22 27 Fras Damjan SLO 123 119.9 113.5 101.3 221.2
23 19 Dessum Nicolas FRA 118.5 110.3 118.5 109.8 220.1
24 36 Miyahira Hideharu JPN 117 108.6 116 106.8 215.4
25 20 Bardal Anders NOR 118.5 110.3 114.5 102.6 212.9
26 21 Ingebrigtsen Tommy NOR 119 110.7 112 97.1 207.8
27 13 Freiholz Sylvain SUI 118 110.4 110.5 95.4 205.8
28 12 Chedal Emmanuel FRA 118.5 111.3 109.5 93.6 204.9
29 17 Mateja Robert POL 117 108.6 118.5 93.6 202.2
30 11 Filimonov Stanislan KAZ 120.5 114.9 105.0 82.5 197.4