スイスのスピード系スペシャリストで2003年に引退したコリーネ・レイ・ベレ(33歳)が4月30日、スイス・バレイ州、レ・クロセットの母親の実家で、弟のアランとともに射殺された。5月1日、地元の警察が発表した。狙撃したのはプライベート・銀行家である夫のゲロルド・スタドラーだった。
レイ・ベレはワールドカップで5勝(滑降3勝、スーパーG2勝)を挙げ、2003年、地元のサン・モリッツで開催されたアルペンスキー世界選手権滑降で銀メダルを獲得した。2003年のシーズン終了後、膝の傷害で現役を引退し、現在は物理療法者になるために訓練を受けていた。2003年11月に男の子をもうけ一児の母。
射殺犯人の夫とは2週間前から別居していたという。スタドラーは狙撃後自分の車で現場から逃走、警察が追っていたが車がフランス国境の近くに乗り捨ててあったため国外に逃走したと思われた。だが、スタドラーは5月3日、レザンに向かう山中で遺体で発見された。自らピストル自殺をしたと思われる。スタルダーは軍隊の将校格で自分の拳銃を所持していた。
重症の母親フレニーは現在病院の集中室で治療中で、容態はまだ安定せず、父親と別室で寝ていたため災難を免れた2歳のケビンは親戚やメンタルセラピストの保護を受けている。
元コーチのマリー・テレーゼ・ナディツク、同僚であったソニャ・ネフ、シルビアンヌ・ベルトーたちはひどいショックを受けている。「コリーヌはレースやケガとの闘い、戦闘家としてピカ一だった。物事をポジティフに考え、常に前向きの姿勢で、弱音を吐くことはしなかった。プレスその他にも人当たりは非常に良く、そうした人間が家族関係のトラブルで射殺されるなんて、キチガイざた!」だと憤慨し痛く悲しんでいる。
最近のスイス国内ではこうした事件が頻繁に起きている。ここ2年間で5つの家庭で父親による一家無理心中が起きている。銃器保持(兵役の銃は各自自宅に保管、27.2%の家庭が銃を所持している)の法律を急遽改正することも討議されている。
最新のニュースではコリーヌは妊娠していたということだ。また殺された弟アランは婚約していて来週金曜日に結婚式の予定だった。まったく週刊誌にあるようなファミリーのドラマだが、鬱(うつ)病の爆発とか、日本人とは違ったものがスイスでは多くあるようだ。これまでの一家心中事件にしても、その詳しい原因とか、その後については新聞やテレビでは報道されることはあまりない。
「2006年5月3日 Kiyoko Hata, KiPO PRESS, Basel」
(PS:コリーヌとは2005年最終戦のレンツェルハイドで同じホテルだった。コリーヌは「息子はスキーも好んでいるしいい選手に育てたいというのが私の夢なのよ」と、そんな話もした) |