SKI TELEGRAM - 選手情報 2004/05-2
VogtFace Miriam Vogt (GER)
 1993年に盛岡/雫石で開催された世界選手権の女子コンビで金メダルを獲得したミリアム・フォクト(38歳)がこのほど、ドイツのババリアンスキー協会(BSV)の新会長に就任した。
 ミリアムは世界選手権の金メダルの他、ワールドカップでは'93シーズンにヴェイル(USA)の滑降で1勝を挙げている。1998シーズンで引退し、2002年からBSVの副会長を務め、選手のフォローに当たっていた。
 ドイツナショナルチームの選手はほとんどがこの南ドイツ、ババリア地方の出身である。
Jean-Philippe Roy (CAN)
 カナダ技術系ナンバー2のジャン・フィリップ・ロア(26歳)が7月8日、ケベック州のモン・トランブランで結婚式を挙げた。お相手はステファニー・ヴァロン嬢。ケベック州政府職員で、州政府の高官及び大臣の広報担当をしている才女である。2年間の交際が実って見事にゴールイン。披露宴にはエリックとステファンのグェイ兄弟、ジュリアン・コシニュー、トーマス・グランディらのチームメイトやコーチ達、さらにフリースタイルのジャン・ルック・ブラサールらが祝福に駆けつけた。
 ロアは先のボルミオ世界選手権の大回転1本目を3位でゴールしたが、2本目に転倒しメダルを逃した。そのときの膝の怪我も癒え、トリノオリンピックをターゲットにトレーニングを再開した。
Hans Knaus (AUT)
 ドーピング疑惑によりFISから18ヶ月間の出場停止を言い渡されたハンス・クナウス(34歳)は、FISの裁定を不服としてローザンヌ(SUI)のCAS(スポーツ調停裁判所)に提訴していたが、そのヒアリングが6月27日に行なわれた。クナウス側は「良い感触を得た」としているが、結果は14日以内に書面で通知される。仮に出場停止が12ヶ月(クナウス側の主張)以内だとトリノオリンピック出場のチャンスがある。否定されて18ヶ月だと出場のチャンスはなく引退を余儀なくされる。オーストリアスキー連盟はハンス・クナウスを2005/06シーズンのナショナルマンシャフトに指定している。
(ドーピングの詳細は下欄参照)
Martina Ertl (GER)
 ドイツ女子チームのエース、マルティナ・エルトル(31歳)が6月18日、故郷のレングリースで1500人のファンの見守る中で結婚式を上げた。お相手はミュンヘン在住のスヴェン・レンツ氏。
Janica Kostelic (CRO)
 ヒンタートックス(AUT)でトレーニング中だったヤニツァ・コステリッチは右膝の痛みを訴え、6月7日、主治医であるシュルンス(AUT)のドクター・シェンクのもとで右膝の内視鏡手術を行なった。7日、クロアチアスキー連盟が発表した。
 軟骨の破片の除去は過去数度にわたり行なわれているいわば持病のようなもので、今回も手術は無事成功した。9日には故郷のザグレブに戻り、リハビリに入る。当分松葉杖の生活が続くが、ただ、完全に痛みがなくなるには4〜6ヶ月かかるだろうとシェンク博士は語っている。
Sonja Nef (SUI)
 スイス女子テクニック系のエース、ソニャ・ネフ(33歳)が、後1年レースを続けると表明した。6月5日、スイスの日刊紙のインタビューで述べた。05シーズン終了後チーム内のごたごたで引退勧告を受けるなどで揺れたソニャだったが、その後発表になった新チームには残留が決まった。
 「長いこと考えましたが、オリンピックシーズンでもあり、もう1年チャレンジすることにしました」と抱負を語った。
 世界選手権の金メダルはあるが('01、サン・アントンGS)、オリンピックは'02、ソルトレークシティ五輪のGS銅メダルのみ。最後のシーズン、金メダルをターゲットに続ける。
Andreas Goldberger (AUT)
 ジャンプのアンドレアス・ゴールドベルガー(32歳)が引退した。5月29日、ウィーンで記者会見を開き発表した。「ゴルディ」の愛称でオーストリアはもとより國内外で絶大な人気を誇っていた。1997年にはコカインを所持していたかどで連盟から追放勧告を受け,、国籍変更も検討したが、謝罪、心機一転、オーストリアに留まってジャンプへの専念を誓い、チームに残留した。
 1988年、16歳でチームに入り、'90年、蔵王で行なわれた国際マッチで国際戦初優勝を挙げた。ワールドカップは'92年から参戦、総合優勝3回('93、'95、'96)、ワールドカップ通算20勝を挙げた。
Kilian Albrecht (AUT)
 オーストリアの新チームにスラローム・スペシャリスト、キリアン・アルブレヒトの名はなかった。アルブレヒトは連盟からの名前の解除を要求し、将来は他国からのスタートを望んでいる。
 「自分がすでにカーダーではないことは受け入れる。しかし、ランキング29位、オーストリアでは6番目でスタート出来る権利はある。脱退を認められないとしても、基本的には収入を得ることも出来るが、それも取り上げられた。脱退希望はこれが根本的な理由だ。1年間を休場する時間はない」とアルブレヒト。

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Sabine Egger (AUT)
 オーストリア女子チームのスラローム・スペシャリスト、サビーネ・エッガー(28歳)が4月27日、引退を表明した。ワールドカップ参戦11シーズン。常に激しい腰痛を抱えての戦いだった。ワールドカップ2勝('99・ベルヒテスガーデン、'00・リエンツ)、1999年には種目別回転の総合タイトルを獲得。'01年、サン・アントン(AUT)世界選手権、回転4位、'98年、長野五輪では回転で5位に入賞した。

 5月2日、エッガーは「まだ続けたい」と意思表明。連盟の一方的な処置に反発しているが、5月4日に発表された2005/06シーズンのメンバーとしては指名されなかった。自費参加の可能性も。
Christian MAYER (AUT)
 オーストリアの大回転スペシャリスト、クリスチャン・マイヤー(33歳)が、スキーをフォルクルからフィッシャーに変えて再スタートする。4月27日、フィッシャーのレーシング・マネージャーのシギ・ヴォルグライターが発表した。フィッシャーとは2年間の契約である。
 クリスチャンは昨年9月29日、ソールデン(AUT)でスーパーGのトレーニング中に転倒、左足を捻挫して開幕戦を欠場した。初めは軽傷と思われていたが意外と後を引き、結局12月の2レースに出場したのみで、リハビリでシーズンを過ごした。来季は傷病規定が適用され大回転は30番以内でスタート出来る。

 「トリノオリンピック目指して私は楽観的だ」と抱負を語っている。
Janica Kosteric (CRO)
 ボルミオ世界選手権で3個の金メダルを獲得したクロアチアのヤニツァ・コステリッチ(23歳)が4月6日、クロアチアの首都ザグレブの最高会議でザグレブ市の名誉市民に認定された。ヤニツァは4月4日、インナークレムス(AUT)でスキートレーニング中に右足大腿四頭筋を捻挫し、現在クロアチア国内のダルバー温泉でリハビリ中だが、この朗報に「私はこんなことは予想もしていなかったのでびっくりしている。ザグレブは私の町なので、本当に幸せだ。そして非常に誇りに思っている」と喜びを語った。
 クロアチアチームは現在メルタール(AUT)でトレーニング中だが、ヤニツァは5月からのヒンタートックス(AUT)の雪上トレーニングからチームに合流する。
Bode Miller (USA)
 今季総合優勝に輝いたボーディ・ミラー(27歳)の大クリスタル・トロフィーが破損した。3月29日、ボーディが故郷のニュー・ハンプシャーに飛行機で帰る際、カップを手荷物として預けたのだが、これが粉々に壊れてしまったのである。ニュー・ハンプシャーのフランコニアではボーディ・ミラーの大々的な歓迎会が催されることになっていた。FISでは早速新しいカップを用意すると発表した。
 ボーディは'03年の世界選手権で獲得した金メダルをトイレの便座の下敷きにして紛失したこともある。また先のボルミオ世界選手権でも、ジャケットのポケットに金メダルを入れたままバーのカウンターに置き盗難に遭っている。後にメダルは戻ったがジャケットは戻ってこなかった。不用意というか、執着心がないというか、やはり不思議な男である。
Regina Haeusl(GER)
 ドイツ高速系のホープ、レギナ・ホイスル(31歳)が3月11日、引退を発表した。決して派手な存在ではなかったが、得意の高速系で着実にその足跡を刻んできた。2000年にはダウンヒルで総合タイトルを獲得したが、最終戦でゴール後に転倒して骨折し晴れの表彰式には欠席した。そのように常に怪我との戦いが彼女のワールドカップを支配した。怪我による後遺症を引きずりながらの今シーズンは下位に低迷していたが世界選手権前のトレーニングで転倒して靱帯断裂。ついに復帰をあきらめた。
 過去のワールドカップ戦歴は、'93年にコルチナ(ITA)の滑降で1勝したのみ。2000年の滑降タイトルは1勝も挙げずに獲得したタイトルだった。
Hans Knaus(AUT)
 ハンス・クナウスのドーピング問題に決着が付いた。3月1日、FISの発表によると、クナウスに対するペナルティは、「故意に使用したものではない」ということを認めながらも、出場禁止18ヶ月という厳しいものだった。レーク・ルイーズ(CAN)の滑降レース、2004年11月27日までさかのぼって計算され、2006年5月26日まで出場が禁止される。これだとトリノ・オリンピックへの出場のチャンスはない。弁護士を通じてCAS(スポーツ調停裁判所)に提訴したが、認められなければハンスは引退を余儀なくされるだろう。レーク・ルイーズ滑降4位の記録は取り消された。
 アルペンでのドーピングはクリステル・ギニャールアラン・バクスターに次いで3人目。
Paul Accola(SUI)
 アルペン・ワールドカップ・レーサー現役最高齢のパウル・アッコーラ(SUI)はこのほど、ワールドカップレースからの引退を表明した。2月20日、38歳の誕生日にガルミッシュ(GER)で行なわれたスーパーGを31位で終了したアッコーラは、レース終了後記者たちに取り囲まれながら「もういいだろう、十分にやった」と語り、20年間に渡る選手生活にピリオドを打つことを宣言した。
 ワールドカップ生活17年間で、7勝、総合優勝・1回(1992年)、オリンピックのメダル・1(88カルガリー、コンビ銅)、世界選手権のメダル・3(89ヴェイル-コンビ銀、99ヴェイル-コンビ銅、01サン・アントン-コンビ銅)、'92年には総合優勝のほかに種目別スーパーGのタイトルを獲得している。現在出身地のダボス(SUI)で土木工事会社を経営、妻と子供二人の4人家族。
Hans Knaus(AUT)
 ドーピング問題で現在出場停止中のハンス・クナウス(AUT)だが、FISで行なっていたBテストでもポジティブの判定が出た。1月12日ウェンゲンでFISが公表した。
 ルールでは2年間の出場停止ということになるが、まもなく34歳になるクナウスにとってはレース人生の終焉を意味する。サラ・ルイスFIS事務局長は「彼には三つの選択肢がある。一つはこの決定を受け入れる、一つは書面で抗議書を提出する、もう一つはヒヤリングを受ける」とのべ、ヒヤリングは2月16〜18日にオーベルストドルフで行なうことが可能だと付け加えた。だがハンスは「それだと世界選手権に間に合わない、もっと早くを希望する」とのべている。
(下欄参照)
Maria Riesch(GER)
 ドイツ若手のホープマリア・リーシュ(20歳)は1月12日、コルチナ・ダンペッツオ(ITA)で行なわれたスーパーGのレースで転倒し、右膝の十時靱帯を断裂、今季を終了した。
 昨シーズン、レヴィ(FIN)のスラローム、ハウス(AUT)の滑降、スーパーGで優勝し、にわかにクローズアップされた大型新人である。
 今季はシーズン始めに肩の故障で北米のレースをパスした。ヨーロッパに戻ってから調子を上げていただけに惜しまれる。
 6ヶ月の療養が必要であるとチームドクターは語っている。
Didier Cuche(SUI)
 スイスのトップレーサーディディエ・キューシュ(30歳)は、アーデルボーデンで大回転のトレーニング中に転倒し右膝の十字靱帯を断裂してシーズンを終了した。スイススキー連盟が1月4日発表した。
 今季のキューシュはフラッハウ(AUT)のGSで2位、アルタ・バディア(ITA)のGSで3位と好調の内にシーズンを送っていた。ワールドカップ総合では5位、GS総合でも5位にランクされていた。世界選手権を前にしてのこのリタイアは、本人にとっても痛いが、スイスチームにとっても大きな損失である。
Hans Knaus(AUT)
 オーストリアのハンスクナウスは12月17日、11月末にレーク・ルイーズ(CAN)で行なわれた滑降レースの際に禁止薬物のナンドロロン(ステロイド剤の一種)を使用したかどでドーピングの疑いがかかっていることについて、バル・ガルデナ(ITA)で記者会見を開き、「私の人生においてドーピング・プロダクトに加わったことは一度もない、そのような疑いはきっぱりと否定する」と自信たっぷりに語った。

 だがこの問題は尾を引きそうである。
SKI TELEGRAM 2004/05-1
SKI TELEGRAM 2003/04